土地活用プランナーが教える土地活用

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土地活用としてのアパート経営を始める前に知っておきたいこと

土地活用の選択肢として、一番に思いつくのが「アパート(マンション)経営」だと思います。

しかし、実際にアパートを建設するとなると、大きな費用がかかりますし、簡単に決断できるものではありません。この記事では、土地活用としてアパート経営を始める時に、知っておきたいこと、考えるべきことを実際にアパート経営をしている先輩として伝えていきます。

アパート経営に向いている土地とは

クマ
アパートに向いている土地ってどんなのだろう?
ミミズク
条件はいくつかあるけど、「立地」「環境」「土地の形状や広さ」を長い期間で考えて見極めると良いね!
クマ
なるほど~、新築の場合は長い目で見て考えないといけないもんね
ミミズク
そうだね、原則として10年や20年、相続するくらい持ち続けるという観点で解説していくよ!

相続税の非課税枠が見直されたことや、超低金利なども手伝って、土地活用策としてアパート経営に乗り出す地主さんが急増しています。

しかし、中にはアパート建築だけが目的の業者も存在し、アパート経営にはあまり向かないような土地にまで過剰に建築した結果、空室だらけのアパートが周辺一帯の家賃を引き下げるといった社会問題を引き起こしています。

確かにアパート経営は土地活用策としては極めて有効な方法ですが、どんな条件の土地でも成功するとは限りません。まずは、どんな土地が向いているかをチェックしてみましょう。

若者が多いエリア

アパートに入居するのは、独身の若者やマイホーム購入前のヤングファミリーが中心になります。従って、若者の人口が多いエリアであることが、アパート経営の大前提となってきます。

しかし、日本はすでに人口減少社会に突入し、若者の人口も減少中でアパート経営には逆風が吹き始めています。ただ、若者の人口減少が深刻なのは、地方の小さな市町村。大都市圏や中核都市では依然若者の流入が多く、保育園の待機児童問題が発生しているのも、若者が都市部に吸い寄せられているためです。

つまり、人口減少社会とはいえ、若者の集まる都市部であればアパート経営は充分成り立ち、逆に地方の小さな市町村では20年、30年後もアパート経営が成り立つとは必ずしも言えない環境へと変化しつつあるのです。

大学や専門学校が多く、働く場所も豊富な、首都圏・大阪圏及び中核都市(政令指定都市など)であることが、長期安定経営の第一条件になると言えるでしょう。逆に言えば、それ以外のエリアなら、アパート以外の土地活用を検討する視点も大切です。

交通の便

学校や職場への通勤・通学に便利であることも欠かせない要素になります。大学や専門学校に近いか、電車などの公共交通機関の駅から徒歩10分圏内にある土地であることが目安です。

しかも、公共交通機関利用で30分~40分圏内で学校や職場に通えるロケーションが理想です。もちろん、これは地域差があるので、若者の人口が多い場所なら、多少交通の便が悪いとしても諦める必要はありません。

生活環境・生活施設

日当たりや風通しが良く、緑や公園があるなど、生活環境に恵まれていた方がベターです。もしも悪臭や騒音がひどい、治安が悪いなど、生活環境に問題がある場合は、駐車場や倉庫など、住居系以外の土地活用を考えた方が無難です。

また、生活施設はファミリー向けなら保育園や幼稚園、スーパー、金融機関などが周囲に整っているのが理想です。独身の若者向けなら、コンビニや飲食店、コインランドリーなどが揃っていると有望です。

もちろん、多少の弱点は家賃を低く設定すれば解消できる場合もあるので一概には言えませんが、地主さん自身が「住んでもいい」と思える環境かどうかを判断基準にすると良いでしょう。

必要な土地の広さ

アパートの平均敷地面積は、東京で170㎡~200㎡、大阪で250㎡と言われますから、ざっと50坪~75坪程度が一般的です。部屋数は東京で8戸前後、大阪では10戸前後が多く、特に広い土地でなくとも充分にアパート経営が可能であることが分かります。小規模なものであればもっと小さな土地でも問題ありませんが、最低でも50平米くらいは必要です。

所有する土地がアパート経営に向いているかどうかは、ハウスメーカーなどに申し込めば無料で診断してアパート計画を出してくれます。

また、インターネット上には複数のメーカーに一括で相談できるサイトもあるので、利用してみる価値はあります。

ただし、これはあくまでもアパート経営の基礎知識を蓄積するためのステップと捉えておきましょう。できるだけ多くの業者の話を聞き、比較検討することで信頼できる業者かどうかをしっかり見極めることがポイントです。値引きなどを持ち出して契約を急かせる業者も少なくありませんが、ここはたっぷり時間をかけることで業者をふるいにかけるぐらいのスタンスで臨むようにしましょう。

アパート経営の魅力と注意点

クマ
アパートに向いてる土地の条件はわかったけど、メリットやデメリットはどんなものがあるの?
ミミズク
土地を所有している場合はまず金銭的なメリットがいくつかあるよね。デメリットはいくつかあるけど、一番注意してほしいのサブリース契約だ
クマ
えっ!サブリースって今流行りの?家賃保証されるから良いかと思ってたけど・・・
ミミズク
デメリットばかりではないんだけど・・・詳しく解説していくよ!

もしも所有する土地がアパートに適したロケーションだった場合は、真っ先にアパート経営の可能性を探るべきです。

アパートオーナーの中には、土地自体を購入してなお収益を上げている方がいるほどですから、土地取得費がかからない地主さんなら、ローリスク・ハイリターンの経営が可能になるからです。

土地を所有している場合のアパート経営のメリット

  1. 土地の取得費を建物に充てられる
  2. 借入額、期間も短くなり、土地を担保にお金を借りやすい
  3. 相続税や固定資産税を軽減できる

土地取得費がかからなければ、アパート経営の損益分岐点は大きく押し下げられ、少々の空室が出ても赤字に陥る危険性が減ります。建物や外構にも充分に予算を掛けられることから、付加価値を高めることで同じ家賃でも“選んでもらえる”アパートにすることも可能です。

収益性が高ければ維持・メンテナンスにお金を掛けられるので美観を保って良質な入居者を集めていくこともできます。つまり、土地購入コストがいらないことは、結果として満室経営を長期間にわたって維持していくことが可能になるというわけです。

また、土地取得費がない分、ローンも短期間に完済可能です。今後は金利の上昇も予想されるだけに、ローンが早く終われば、それだけ金利上昇リスクを回避することが可能になります。土地を担保にできる分、土地を持たずにアパート経営を考える人と比べて借り入れが簡単というのも大きなメリットです。

さらに管理会社に募集や入居者管理を委託してしまえば、オーナーの仕事はほとんどありません。このため、他に仕事を持っていても何ら問題はなく、本業を続けながら“片手間”で安定収益を確保できてしまうのです。しかも株のように一日で暴落するようなリスクもなく、定年以降も高い収益を稼ぎ出してくれます。

もちろん、アパートを建てるだけで相続税や固定資産税などの節税効果をたっぷりと享受できるのは言うまでもありません。

最近増えているアパート経営の落とし穴(デメリット)

地主さんにとっては魅力いっぱいのアパート経営ですが、注意点もあります。特に最近「家賃保証」を信じて経営に乗り出したオーナーさんの中に、保証家賃の引き下げに伴うトラブルが急増しており注意が必要です。

「家賃保証」とはサブリースとも呼ばれ、オーナーから業者がアパートを一括で借り上げ、入居者に又貸しする仕組み。経営のリスクを業者が肩代わりしてくれるわけで、オーナーにしてみれば実際の入居状況に関係なく、毎月一定の家賃が約束されるので、リスクなく経営できると考えてしまうのです。

しかし“30年一括借り上げ”などと謳いながら、実際は“10年後に家賃を見直し、さらに2年ごとに見直し”などという注意書きが契約書の隅に書いてあったりするのです。

「毎月40万円の家賃が30年間保証されると思ったから建設に踏み切ったのに、ふたを開けてみたら、10年後には30万円、さらに2年ごとに5万円ずつ保証家賃が減額され、気が付けばローン返済額を下回っていた」などという悲劇も耳にします。しかも、最後には「家賃を引き下げないとウチが倒産してしまう」と脅すようなことをいう業者まで…。倒産されたのではさらなるダメージを被ることになるからと、泣く泣く値下げに応じるオーナーもいます。

このような業者は“アパートの建築を請け負う”ことが本当の狙い。「果たしてこんな場所で入居者が埋まるのだろうか…」と迷っているオーナーに対する決め台詞として「30年間当社が借り上げ、仮に空室が発生しても、オーナーさんには当社が毎月一定のお家賃をお支払いするので安心です」などと使っているのです。

保証家賃の見直しについては口頭でもきちんと説明するのがルールですので、あえてそこに触れない業者なら契約は見送った方が良いでしょう。

アパート経営を始める前に

最後に、アパート経営を始める前の注意点について触れておきます。

実際にアパートを作って運営をしてみなければわからないことも多いですが、可能な限りの想定をしておくことはとても大切です。

より重要なのが管理会社選び

所有する土地がアパートに適した立地であり、信頼できる建設会社が見つかったとしても、安心してはいけません。より重要なのが、信頼できる「管理会社」を見つけることです。

管理会社には入居者管理(入居者の募集や、家賃の回収、契約・解約手続き、トラブル処理など)と、建物管理(掃除や除草、建物の補補修・修繕など)の2つの役割があり、どちらも入居率や家賃の維持、建物の寿命(=収益期間)に直結し、事業の成否を大きく左右します。仏像を作るのが建設会社なら、魂を入れるのが管理会社と言っても過言ではなく、オーナーさんにとっては経営コンサルタント的存在になってくるのです。

しかし、実際には建設会社や不動産会社の一部門であるケースが多く、アフターケア的な位置づけになっていることから「管理業務に真剣に取り組んでいる管理会社は1割程度」と指摘する専門家もいるほどです。よほど慎重に管理会社を目利きしないとアパート経営が大失敗に終わる危険性さえあるのです。

しかも建設会社との付き合いはせいぜい2~3年なのに対し、管理会社とは何十年も付き合うことになります。いい加減な管理会社に委託してしまったら、数十年にわたる不満と不安、不利益を背負い込むことにもなりかねません。

従って、もしも信頼できる管理会社が見つからない場合は「アパート経営は諦める」くらいの意識を持つことが重要です。せっかく建てたアパートが“福の神”になるか”貧乏神“になるかは、管理会社にかかっているのですから。

つまり「アパートに適した土地」「信頼できる建設会社」に加えて「信頼できる管理会社」の3点が揃ったときに初めて、アパート経営という土地活用が可能になると理解しておくべきなのです。

主体性を持ち自己責任で始めることが大切

最後になりますが、一番大切なことは「あなた自身が主体性を持ち、自己責任でアパート経営をはじめること」です。

「ハウスメーカーが保証してくれたから」
「管理会社が入居は任せてくださいと言ったから」
「コンサルタントが問題ないと言っていたから」

など、他人任せにしていてもいざアパート経営がうまくいかない時に責任を取るのはオーナーであり、経済的なダメージを受けるのもオーナーです。

先にも触れましたが、「サブリース」なんてものはアパート経営を売るために業者側に有利に作られたシステムで、もし契約後に入居が埋まらずサブリース契約をした会社が赤字続きなら、当然のように契約は解除されたり変更されたりします。

最低限の主体性を持ち、問題があった時にはあなた自身が責任を持つ気持ちで臨むことが一番大切です。

まとめ

アパート経営は、満室になってうまく稼働してしまえばほとんどやることはなくなります。しかし、立地条件や環境の悪いエリアに建築をしてしまうと、新築時は良くてもあとあと賃貸経営がうまくいかなくなる時がきます。

それらの判断をするのはあなた自身ですが、経験者の目線からいうと「自分でどうにかする」という気持ちを持って、大家業の勉強をしていけば、よほど辺鄙な地域でなければ問題ないようにも思います。

もちろん、建築法や条例など、ルール的に問題ないかどうかを判断するのに不動産業者や建築士、土地活用コンサルタントの協力は欠かせません。おそらくWeb上の記事を読んで迷っていても答えは出ませんので、まずは無料相談ができる土地活用の専門業者にプランを提示してもらうなり、行動をしてみると次の問題点が見えてくるでしょう。

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