今回の記事は、ニチイ学館の土地活用プランが気になっているけれど、安心して任せられるかどうかがわからず不安という方の疑問を解決するものです。
実際にニチイ学館の資料請求を行い、ホームページに書いていない内容も確認し、細かく評価をしています。
ニチイ学館の土地活用プランは
- 介護施設や保育施設など、他社ではなかなか見られない土地活用ができる
- 比較的大規模な建物が建てられる
など、様々なメリットがあり、賃貸アパート経営や賃貸マンション経営とは一味違った方法で土地活用を始めたいという方にぴったりというのが、当サイトでの結論です。
このページではニチイ学館の土地活用の特長やメリット、デメリットなどを解説していますので、パートナーとなる業者選びの際の参考にしていただければと思います。
目次
ニチイ学館の土地活用を8つの観点から10段階評価
評価 | 評価の根拠 | |
建物管理の実績 | 8 | 介護施設の運営実績は非常に豊富。 |
対応エリアの広さ | 8 | 全国対応。ただし、人口が5万人以下の市区町村は除く。 |
土地活用プランの数 | 4 | 介護施設(グループホーム、介護付有料老人ホーム)、保育施設(認可保育所、小規模保育所)のみ。 |
建物の品質 | 9 | 介護や保育事業を手がけているため、物件管理の品質は高い。 |
一括借上システムの充実度 | - | 建物賃貸借契約がある。 |
価格帯 | 6 | 業界平均レベルの価格。 |
アフターサービス | 7 | 開発後のサポートも充実している。 |
しつこい営業がないか | 8 | 特になし。 |
ニチイ学館の商品ラインナップ
まずは気になるニチイ学館の商品ラインナップを見ていきましょう。ニチイ学館の商品は大きく
- グループホーム
- 介護付有料老人ホーム
- 認可保育所
- 小規模保育所
の4つにわけられます。他の業者でよく見られる賃貸アパートやマンションはありませんが、介護施設や保育施設が充実しています。
ニチイ学館は、施設運営居室ランキングではどこのサイトでも上位となっています。
グループホーム
グループホームとは、認知症の症状を持つ高齢者が1ユニット(5人~9人程度)で共同生活する高齢者住宅のことです。
日々の生活はスタッフが支えますが、入居者も自らできる範囲で身の回りのことを行い、認知症の改善、あるいは悪化の防止に努めます。
少子高齢化の進展に伴い認知症になる高齢者の数も右肩上がりに増えてきており、それに対応するかのようにグループホームの数も増えてきていますが、まだまだ数は足りていません。
それ故に補助金が出るケースが少なくないのが、グループホーム投資の長所です。
補助金の有無や金額は自治体ごとによってまちまちなのでなんとも言えませんので、対象となる土地の市区町村役場まで相談してみてください。
ちなみに、グループホームは老人ホームであり、利用権方式と呼ばれる契約形式が一般的です。
利用権方式では利用者は月額利用料とは別に入居一時金を支払うケースが多いです。
入居一時金はグループホームを利用する権利を得るためのお金で、月額利用料とは別物です。
また、グループホームは原則として要支援2~要介護5の人を受け入れます。
要支援1、もしくは健康な人は対象外です。
なお、ニチイ学館のグループホームの条件は以下の通りになっています。
- 敷地面積200坪以上。
- 建物面積(延床面積)は150坪程度。
- 構造は原則として鉄骨造、もしくは木造による2階建て。場合によっては平屋も検討可能。
介護付有料老人ホーム
介護付有料老人ホームとは、食事や健康管理、掃除、選択、排泄等の介護サービスがまとめて提供される代表的な介護施設の一つです。
原則として介護が必要な人しか入居できませんが、健康な人でも入れる混合型も存在します。介護ロボットなどを取り入れる事も可能です。
介護付有料老人ホームはすべての有料老人ホームの中でも最もメジャーなもので、それゆえに様々な大手介護事業者が運営しています。
ニチイ学館は47都道府県、1400の拠点で15万人の高齢者を受け入れており、実績は他社よりも優れています。
なお、ニチイ学館の介護付有料老人ホームの条件は以下の通りになっています。
- 敷地面積600坪以上。
- 建物面積(延床面積)は620~715坪程度。
- 構造は原則として鉄骨造、もしくは鉄筋コンクリート造による2階建て。
認可保育所
認可保育所とは、保育所のうち、国が定めた基準を満たし、なおかつ都道府県知事に認可されたもののことをいいます。
公立のものと私立のものがあります。
運営費の一部が国や自治体の税金から賄われているため保育料が比較的安く、それゆえに人気があり、絶対数が不足している状態です。
これに対して、都道府県知事に認可されていない保育園を認可外保育園といいます。
認可外保育園はすべて私立で、保育料は認可保育所と比べて高い傾向があります。
少子高齢化が進む現代日本において、認可保育所は土地活用法としては余り適切でないようにも思えますが、それは間違いです。
認可保育所は一般的な賃貸住宅経営と比べると初期費用が少なく、その割に保育料が高いため、利回りが高くなりやすいのです。
都市部では需要に対して供給が不足しており、新規参入も間に合う状況です。
また、保育所に入園した子供は通常、2~3年は在園するため、経営が安定しやすいのもポイントです。
日々の業務はすべてニチイ学館側に任せられます。
なお、ニチイ学館の認可保育所の条件は以下の通りになっています。
- 敷地面積は130~250坪。
- 建物面積(延床面積)は110~150坪。
- 構造は原則鉄骨造、木造の1階建てあるいは2階建て。
小規模保育所
小規模保育所とは、保育所の中でも特に小規模なものです。
従来、認可保育所になるためには定員数を60人以上にする必要がありましたが、2015年4月移行は19人以下の保育所も認可を得られるようになりました。
このような保育所を小規模認可保育所と言います。
認可保育所を設立するには通常2~3年かかりますが、小規模認可保育所ならば長くても半年程度で開園できると言うのが最大のメリットです。
認可保育所なので国や自治体からの補助金も得られますし、少人数なので園児一人一人にかけられる時間が増えます。
一方でスケールメリットが得られない分保育料は高くなりがちで、大規模な保育園にはかなわない部分もあります。
価格ではなく、付加価値で勝負したほうが良いでしょう。
日々の業務はすべてニチイ学館側に任せられます。
なお、ニチイ学館の認可保育所の条件は以下の通りになっています。
- 建物面積(延床面積)は140平米以上。
- 駐車場必須。駐車台数はエリア次第。
ニチイ学館の土地活用の契約形態
ニチイ学館の土地活用は、原則としていずれの施設も「建物賃貸借契約(建て貸し)」です。
保育施設の場合は既存の物件の内装改修も可となっていますが、当サイトのコンセプトである土地活用とは話がずれてしまうのでここでは取り上げません。
建物賃貸借契約(建て貸し)とは、借主(この場合はニチイ学館)が希望したとおりの建物を建築会社に依頼し、貸主(土地の所有者)が建てて、その建物を貸す、という契約形態です。大規模企業であり、店舗展開するチェーン店の、コンビニ経営など、建物のデザイン・仕様を統一したい運営事業者、コンビニ業者の間では非常にポピュラーな形式です。
契約期間は10年以上の長期になることが多いですが、ケースバイケースです。
建物賃貸借契約(建て貸し)契約を結ぶ場合、借主から建設協力金が支払われるのが一般的です。
建設協力金とは借主が貸主に対して貸し付ける無利息の一時金です。
このお金を渡しますので、こちらが望むとおりの建物を建ててください、という性質のもので、この仕組を活用すれば、貸主は負担なく建物を建てられます。
その後、貸主は建物を借主に貸し付けます。
それと同時に建設協力金は保証金という名称に変わります。
貸主は借主に対して保証金を返済しなければなりませんが、その一方で借主は貸主に対して建物の賃料を払わなければなりません。
実際には賃料から保証金を差し引いた額が借主から貸主に支払われることがほとんどです。
ニチイ学館の建設協力金方式は、借主と貸主の両者にメリットがある方式です。
借主のメリット
- 土地を取得しないでいいので、余計な資産が増えない。
- 事業計画に沿った建物が建てられる。
- 地権者の同意が得やすい。
貸主のメリット
- 建設協力金が無利子で借りられる。
- 借主の都合で中途解約となった場合、保証金の返済義務がなくなり建物が残る。
- テナントを募集する必要がない。
このようなメリットが有る一方で、以下のようなデメリットもあります。
借主のデメリット
- 中途解約した場合、保証金を放棄しなければならない。
貸主のデメリット
- 中途解約になった場合、残された建物と保証金の処理が面倒。
- 建物が借主の望んだ仕様になるため、転用が難しい。
- 賃料が保証金と相殺されるためキャッシュフローが少なくなりがち。
このように様々なメリットやデメリットがありますが、建設協力金が受け取れるため初期費用がかからないというのは非常に大きいです。
ニチイ学館の土地活用のメリット
ニチイ学館の土地活用が他社と比べて優れている点を、いくつかピックアップしました。
綿密な調査に基づいた適切な提案が受けられる
土地活用を成功させ、安定的な収益を得続けるためには、最初の提案が非常に重要になります。
そして、良い提案には綿密な調査が必要不可欠です。
ニチイ学館は市場のニーズ、賃料相場を入念に調査し、その上でその土地に最も合った土地活用法を提案してくれます。
優れた介護サービスの提供があるため稼働率が高くなりやすい
建物賃貸借契約ではオーナーはニチイ学館と契約を結び、ニチイ学館から一定の賃料を受け取るため、ニチイ学館が施設の経営に成功しようが失敗しようが関係ないようにも思えます。
しかし、経営に失敗すれば、賃料の引き下げや中途解約に至ってしまうかもしれません。
そうなればオーナーも少なからずダメージを受けます。
オーナーが直接経営に携わることはないとは言え、施設の稼働率は高いに越したことはないのです。
その点、ニチイ学館は日本全国で高齢者施設経営してきた実績、経験があるため、稼働率が高いところで安定しやすく、経営が失敗に終わる可能性は非常に低いです。
他の業者ではあまり扱われていない施設が建てられる
ニチイ学館は一般的な賃貸アパート・賃貸マンションなどの賃貸住宅は取り扱っていませんが、介護施設や保育施設の取扱は充実しています。
どちらも他の業者では余り見かけないタイプの施設であり、一風変わった土地活用に取り組んでみたいという方には、ニチイ学館がおすすめです。
時代の流れにマッチした施設が建てられる
介護施設は少子高齢化のさらなる進展に伴って今後ますます需要が高まるものと思われます。
一方、保育施設は一見人口動態に反するように見えますが、都市部では保育施設の不足が問題になっています。
現代日本において、これらの施設は時代の流れにマッチした有望な投資先であるといえるでしょう。
ニチイ学館の土地活用のデメリット
様々なメリットがあるニチイ学館の土地活用ですが、一方でデメリットも存在します。
人口が少ない地域は対象外
人口が5万人以下の市区町村は、土地活用の対象外となっています。
また、人口5万人以上の市区町村であっても、すべての土地で収益があげられるわけではありません。
介護施設はそれほど利便性を機にする必要はありませんが、保育施設は公共交通機関の充実した場所でないと集客は難しいでしょう。
ある程度の面積が必要
介護施設として運用する場合でも、保育施設として運用する場合でも、ある程度の敷地面積が必要になります。
狭い場合は駐車場経営など別形態での活用を考えたほうがいいかもしれません。場所によっては、ソーラーパネルを設置したソーラー経営やトランクルーム経営などを検討する事も良いでしょう。
ニチイ学館での土地活用が向いている人
以下の条件に当てはまる方には、ニチイ学館での土地活用をおすすめします。
介護施設や保育施設を建てたい人
介護施設や保育施設が建てられる業者は他にもありますが、ニチイ学館は介護事業・保育事業に強いため、目的がはっきりとしており、介護事業者として事業を始めるならばニチイ学館がいいでしょう。
ある程度広い土地を持っている人
広い土地を持っている場合は、ニチイ学館の介護施設や保育施設を検討してみてもいいでしょう。