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土地活用の基礎知識

土地活用の建築費(アパート・マンションの場合)

クマ
今所有している土地に、アパートやマンションを建てたいなぁ。そうすれば賃貸収入も得られるし。

ミミズク
確かに、節税効果も大きいし、いい方法だね。資金はあるの?

クマ
あるけど…いったいどれくらいかかるのか見当がつかないよ。

ミミズク
それじゃあ、一緒に考えてみようか。

今回は、土地活用においてポピュラーともいえる、アパートやマンションを建設する際の、建設費について詳しく見ていきましょう。

アパートやマンションを建築するのにかかる費用

土地活用において、固定資産税、都市計画税、所得税などを軽減できて節税効果が大きく、高い収益性と長期安定収入が見込める方法に挙げられるのが、アパート・マンション経営です。

立地環境に恵まれ、アパートやマンションの建築が可能なエリアであれば、真っ先に検討したい土地活用方法と言えます。

やり方としては、次の2つの方法があります。

  • 定期借地などでアパート・マンション用地として貸し出す方法
  • 自分でアパートやマンションを建築して賃貸住宅経営に乗り出す方法

ざっくりと言えば、前者は“ゼロリスク・ローリターン”、後者は“ミドルリスク・ハイリターン”であり、どちらを選択するかは地主さんの考え方ひとつです。

どちらを選ぶにしろ、自己運用の場合の収益性とリスクについて一度検討しておくことは重要なステップなので、以下では自己運用を前提として、アパート・マンションの建築費用について解説します。

まずは、建築費の内訳を見ていきましょう。

?本体工事費

アパートやマンションの建物を建てる工事費用です。

土台から基礎、壁、屋根はもちろん、内装やキッチン、トイレ、給湯器など入居者の生活に必要な設備をすべて含むのが普通です。格安アパート建築をうたっている業者の中には必要なものまでオプションになっている場合があるので注意しましょう。

本体工事費は、木造か軽量鉄骨か、あるいは鉄筋コンクリートかで費用は大きく変わってきます。

また、一戸当たりの占有面積や間取り、設備・仕様などによっても大きく上下します。

経営の視点では、本体工事費は安ければ安いほど、損益分岐点が改善すると考えがちですが、反面「経年劣化が進みやすい」「入居率が悪化しやすい」「修繕費用がかさむ」といった問題を起こしがち。まさに”安物買いの銭失い“になってしまうので注意が必要です。

?付帯工事費

給排水工事や電気・ガス工事など、生活に必要な環境を提供するための工事です。

給排水工事やガス工事は意外にコストが高く、引き込み距離が長いような場合は注意が必要です。特に都市ガスの場合は指定業者を使うなどの制約があり、コストアップの原因になる場合があります。

ちなみに、プロパンガスの場合は都市ガスのような引き込み工事が不要で、しかも話し合いによっては給湯機器を安価もしくは無料で提供してくれるといったサービスも考えられるので、検討してみると良いでしょう。

別途工事費

駐車場や外構などの、建物以外にかかる費用です。場合によっては、地盤改良費や古家などが残っていた場合の解体費用などが発生する場合もあります。

このほかに、不動産取得税などの税金や、登記に関する費用や火災保険料なども発生しますが、建築費総額から見れば大きくない金額なのであまり気にする必要はありません。

ミミズク
地盤改良が必要などの場合を除いて、一般にアパート建築費の7~8割は本体工事費と言われているよ。

建築費の計算方法

正確な建築費は実際に図面を起こしてもらい、積算見積もりを作ってもらわないとわかりませんが、所有する土地から概算金額を計算することができます。

建ぺい率と容積率

建ぺい率とは、敷地面積に対する建坪の上限を指すもので、100坪の土地の建ぺい率が40%なら建坪40坪の建物までしか建てられません。

また、容積率とは敷地に対する建物の延べ床面積の上限で、100坪の土地で容積率が60%なら延べ床面積60坪までの建物しか建てられないことになります。

ちなみに延べ床面積とは、建物の合計床面積のことで、1階床面積40坪の総二階建てなら延べ床面積は約80坪となります。

この場合、先の例では容積率をオーバーしてしまうため、総二階のアパートを建てるなら1階あたりの床面積を30坪以内に収める必要があります。

建築費の概算方法

おおよその建築費を算出するには、延べ床面積に後述の坪単価を掛けて計算します。

先の例なら、延床面積は最大60坪で、坪単価50万円の木造総二階のアパートなら建築費は3000万円程度になると考えることができます。
ちなみに延床面積60坪なら1階40坪、2階20坪というアパートも法的には可能ですが、総二階の方が建築費は割安になります。

構造別の建築費の目安

次に、構造別の建築費の目安を見ていきましょう。

木造の坪単価

木造は最も建築費を抑えられる構造で、坪単価は40万円~60万円と言われています。

防火地域の場合は、国土交通省の認可を受けた耐火建築物であれば木造でも建築可能です。

鉄骨造の坪単価

鉄骨造には軽量鉄骨と重量鉄骨があり、前者は4階建て程度まで、後者は低層から高層まで対応できます。

坪単価は50万円~80万円と言われています。

鉄筋コンクリート造の坪単価

鉄筋コンクリート造は、耐久性が高く、長持ちする分修繕費がかかりにくいという反面、建築費がかさむという問題があります。それでも、家賃を高めに設定できることから、立地環境によっては高い収益性も期待できる工法です。

坪単価は70万円~100万円と言われています。

クマ
なるほど。計算方法は分かって来たぞ。でも…実際に自己資金って必要なのかな?必要な額だけ借りたらいいんじゃ?

ミミズク
それはリスクが高いともいえる。自己資金についても詳しく見てみよう。

必要な自己資金の割合

アパートやマンションの建築構造から、おおよその建築費を算出したら、次に必要な自己資金を判断します。

一般には3割から4割の自己資金を用意するのが健全経営の目安と言われています。以前はそのぐらいの自己資金がなければ金融機関もローンを組んでくれませんでした。

しかし、現在はマイナス金利・超低金利時代で、金融機関の貸し出し姿勢はバブル期を凌ぐとさえ言われています。

平たく言えば、土地活用のための資金なら“タダみたいな金利で簡単にお金を貸してくれる“環境にあるわけです。

しかし、だからこそ慎重な判断が求められるとも言えるのです。

「自己資金0円」は危険な賭け

“自己資金0円でもアパート経営ができる!”といった広告を目にしますが、安易に乗っかってはいけません。

確かにスタートはできるかもしれませんが“成功を約束しているわけでは決してない”からです。

自己資金が少なければ、当然毎月の返済額が増えます。新築の場合、返済期間を長く取れる分、毎月の返済額はある程度抑えることができ、かろうじて黒字が出る収支計画を作ることも可能かもしれません。

しかし、現実は収支計画通りに行くとは限らないのです。

まず、金利は現在がほぼ底ですから、やがて上昇に転じます。1億円を借入して資金調達しても、金利が2%上昇しただけで200万円の利益が吹き飛ぶのです。

あるいは、高い家賃でも満室が続く「新築プレミアム」も数年で終わります。その後は家賃低下と空室率の二重苦に陥る可能性もあるのです。

もしも、低金利・高い家賃・満室を前提に組んだ収支計画なら、それを鵜呑みにして賃貸住宅経営に乗り出すと、最悪の場合、すべての財産を失う事態さえ心配されます(ちなみに、空室率は30%ぐらい見ておくのが現実的です。10%、20%しか見ないで計算している例も多いので注意しましょう)。

また、実際の入居状況に関係なく、オーナーさんに一定の家賃を約束する「家賃保証」を売り物にする業者も増えています。

しかし不動産会社も損をしてまでオーナーさんを支えるはずはなく、保証する家賃は家賃相場よりも安く設定されているうえ、一定期間で保証家賃を見直すという契約になっています。

そこをきちんと説明することなく、契約書の隅に小さな文字で書いているような業者の場合は要注意です。

要するに家賃保証と言っても、当初の保証家賃が最後まで続くわけではなく、実際には大幅な減額を余儀なくされているのが実情だということを、覚えておきましょう。

自己資金は厚く、返済比率は50%以下に

賃貸住宅事業を成功させる、第一の鉄則は「自己資金の割合を可能な限り厚くする」ことです。

「借金も財産の内」「レバレッジを利かせた方が得」といった説には耳を貸さず、まずは堅実な賃貸住宅経営を実践し、ノウハウを蓄積していくことがセオリーです。

自己資金は多ければ多いほど借り入れが減り、ローン返済額が少なくなります。つまり、毎月の家賃収入に対する返済の割合が低くなるわけです。

これを「返済比率」と言います。50万円の家賃収入に対し、ローン返済額が40万円なら返済比率は80%、ローン返済額が25万円なら50%となります。

一般に返済比率は50%以下に抑えることが健全経営の目安と言われています。

先の例なら、ローンを返済してもなお25万円の黒字があるので、多少の金利上昇や2~3室の空室が出ても簡単には赤字にはならないわけです。

クマ
自己資金はあったほうがいいんだね。うーん、まだ投資するには時期が早いかもしれないなあ。

ミミズク
賃貸経営は長い期間で展開する事業だから、利回りを考えて、借入金をできるだけ作らないことが肝心だね。

クマ
うんうん。十分な自己資金を用意できない場合は、定期借地権による土地活用を考えるのも手かもしれないね。

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