土地活用プランナーが教える土地活用

土地活用の杜

土地活用の種類

土地活用バブルの最新市場動向と今後

クマ
土地活用の動向って変わって来てるよね。前は土地さえ持っていればよかったのに…。

ミミズク
確かに、土地さえ持っていれば、アパート経営や駐車場経営などによって、働かなくてもお金が入る時代があったね。

クマ
それって何でなの?

ミミズク
日本の人口が増え続けていたし、常に需要が供給を上回っていたため、たとえ素人が経営してもすぐに借り手が見つかったんだ。

クマ
なるほど…。今は人口が減少しているから、供給が需要を上回る時代に移ってきているんだね。

ミミズク
そう。土地も、持っているだけでいい、とはいかなくなった。ではどうすればいいのか、を詳しく見ていこう。

今回は、土地活用の最新市場動向と、今後の土地活用に当たっての対策を見ていきましょう。現在は土地活用バブルとも呼ばれるほど新築の建設が進んでいます。しかし、今後の動向や市場の動きを把握せずに建設を進めてしまうと思わぬリスクに足元を救われます。

土地活用の最新市場動向

まずは、現在の市場動向がどうなっているかを、具体的に見てみます。

人口減少・少子高齢化社会の進行

高齢化社会のマイナスインパクト

日本の人口は2006年をピークに減少に転じており、2050年には9000万人台まで減少すると予測されています。

しかも、少子高齢化が同時に進行し、今後10年間で生産年齢人口(15歳~65歳)は7000万人まで減り(現在約7800万人)、65歳以上の高齢者は3500万人を突破すると言われています。

2025年には国民の実に3人に1人が65歳以上という高齢者国家になるのです。

これを土地活用の側面から見ると、とても恐ろしい事態であることが分かります。

まず、65歳以上の方は殆どが自宅を持っています。つまり、賃貸住宅の需要家ではないわけです。

一部賃貸派がいても、収入に不安のある高齢者は、より良い賃貸住宅を求めて引っ越すということも考えられません。

従って、賃貸住宅のターゲットたり得ない人々が人口の3分の1を占めることになるわけです。

さらに恐ろしいのは、やがて彼らの自宅が必要なくなるということ。子供が自宅を引き継ぐのであれば問題は小さいのですが、子供が遠くで暮らしている場合などは、処分されることになり不動産市場に放出されます。

これがさらに需要と供給のバランスを崩し、地価や賃料の低下を招いて行くのは確実です。

少子化のマイナスインパクト

一方、少子化はそのまま賃貸住宅の需要家である若者の減少に直結するため、賃貸住宅の需給バランスも大きく崩れると見られます。1970年代の第二次ベビーブームの出生数は200万人程度だったのに対し、2013年には100万人程度まで減少。

つまり、20年もすれば若者の数は現在から半減することになるわけで、賃貸市場に与えるマイナスインパクトは極めて甚大です。

また、子供の数が減るということは、住宅の部屋数も減らします

コンパクトな住宅で良い世帯が増えればそれだけ不動産需要を冷やす方に作用し、分譲価格を押し下げ、それが賃貸相場をも引き下げる方向に働くことになるでしょう。

労働人口減少のマイナスインパクト

少子化によって、労働人口の減少も懸念されます。

それを補うために、企業は人工知能(AI)やロボット技術の導入を加速させると予測されています。

10年~20年後には、オフィスワークを含めて労働の半分はAIやロボットに置き換わっているだろうと予測する専門家もいるのです。そうなると、オフィスビルの需要が減っていくことも懸念され、しかも、在宅ワークといった労働スタイルが広まれば、オフィス街自体が衰退する恐れも生まれてきます。

通勤者が減れば駅の利用者も減り、駅近物件にもマイナスに作用します。

また、労働環境の需給バランスが崩れることで、賃金の低下や失業者の増加も懸念されます。

そうなるとテナントビルや商業施設などを含め、あらゆる賃料を押し下げる事態も考えられます。

?都市部への人口集中

地方の中小市町村の崩壊

人口減少社会に突入したにもかかわらず、首都圏などの都市部では、保育園などの待機児童問題が発生しています。

これは、都市部への若者の集中を意味しており、裏を返せば地方の中小市町村では深刻な「若者の流出」が起こっていることを意味します。

教育や仕事を求めて、若者が大都市や中核都市(政令指定都市など)に集中し、周辺では子供や若者がいなくなって学校や商業施設、病院がなくなり、それがまた若者の流出に拍車をかけるという悪循環に陥っているのです。

このような地域に土地を所有していた場合、土地活用はかなり厳しいと言わざるを得ません。

賃貸住宅はもちろん、ロードサイド店などへの借地契約を結んでも、商売が成り立たずに解約される心配があります。太陽光発電や資材置き場、トランクルームなど、人口や生活施設に関係のない土地活用以外は難しくなっていくと考える必要があります

都市部での競争激化

人口、特に若者の減少がみられない都市部に土地を所有している場合は、引き続き展望は見いだせるものの、競争は一段と厳しくなることが予想されます。

つまり、都市部以外での安定した土地活用事業がなくなれば、投資家が都市部に集中すると考えられるからです。

しかも、オフィスビルやテナントビルなどの経営環境が厳しくなった場合、それらのオーナーがより収益性の高い土地活用事業に参入していく可能性もあります。

こうなると、資金力とサービスの競争となり、体力のない地主さんは競争に打ち勝つことが難しくなる心配もあります。

相続税対策アパートの増加

需要世帯数を無視したアパートの乱立

“80代の親から相続を受けた60代の地主さんが、相続税対策としてアパートを建設する”といったケースが増えています。その理由は、

  • アパートを建てるだけで相続税を圧縮したり回避したりできる(地主のメリット)
  • 金融機関がアパートローン貸し出しに積極的(金融機関のメリット)
  • アパート建築が目的の会社が「家賃保証」をうたって、契約を取っている(建設会社のメリット)

といった3者のメリットが合致することで、アパートの乱立を引き起こしていると言われています。

このようなケースでは、地主さんはアパート経営の初心者であることが多く、本当に全室が入居者で埋まるのか不安を感じつつも「家賃保証というリスク回避のサービスがあるのなら…」とハンコを押してしまっているケースが多々見られます。
「家賃保証」は、決して建築会社などがリスクを肩代わりしてくれるのではなく、定期的な直しによって保証家賃が下げられていくのが現実

“〇年間一括借り上げ”などと言っても、最初の家賃が保証されるのは10年程度で(しかもこの間は新築プレミアムによって満室になりやすい)、あと定期的に見直されて家賃が引き下げられて行くのです。

空室率は下がるものの、これでは収支計画は大きく狂ってしまい、相続税対策どころか大きな損失を抱え込む事態さえ懸念されます

しかも、問題なのは、このようなアパートができると、周囲の大家さんにも悪影響をもたらすこと。

需要を無視して建ててしまったので家賃を下げないと埋まらず、それが周辺の家賃相場を引き下げてしまうのです。相続税対策でアパートが乱立している住宅地のような地域では、注意が必要です。

クマ
リスクというか、マイナスポイントばかりだね…。何とか回避させる方法はないのかな?

ミミズク
どのような気を付けるべきか、ポイントはいくつかあるよ。見ていこう!

今後の土地活用の心得

今後の土地活用は一様にネガティブ含みですが、これからはどんな事を心がけて土地活用に向き合うべきか、ポイントを挙げてみましょう。

?短期での資金回収を目指す

市場がどう変化し、どんな競合が出現するか全く予想できない時代に変わっていきます。

従って今後は、30年、40年と同じ事業が続けられることは限らないので、できるだけ短期間に投資した資金を回収できる事業を検討するべきです。

つまり、多額の建築資金が必要な(つまり返済期間が長くなる)マンション経営や、オフィスビル、テナントビルではなく、比較的建築費を抑えられる(つまり、返済期間を短くできるアパート経営や戸建賃貸、駐車場経営といった事業を検討した方が無難です。

もちろん、病院や老人福祉施設、高齢者住宅などは長期安定経営が見込めるので、借り手さえ見つかれば除外する必要はありません。また、駅から徒歩10分圏内ならマンションやテナントビルといった事業も有望なのは変わりません。

しかし、事業の継続が微妙な立地の場合は無理をせずに投資規模が小さな、資金回収機関の短い事業を優先するのがセオリーになってくると思われます。

?自己資金を厚くする

投資規模が大きくなっても、自己資金を厚くすることができるのなら投資した資金の回収期間は短くできます

また、返済比率を抑えることで、キャッシュフローを大きくして空室などのリスクへの対応力を高めるという方法も取れます。

土地の担保力を生かして、めいっぱい融資を引き出すのがセオリーだった時代もありましたが、今後は、もし現金などがあるのであれば、まず自己資金として出し、足りない分だけ融資を受けるという方法をとるべきです。

資産は現金・株・不動産に3分割して持つといった常識も、見直すべき時代に入ったと考えましょう。

将来性の低い土地から高い土地への乗り換えも

では、今後はどんな土地活用が有望になってくるのか考えてみましょう。

今後は、土地さえあれば誰もが儲かる時代ではなくなり、一部の高収益物件と、大多数の低収益・赤字物件へと二極化していくことが考えられます

従って、もしも所有地の将来性が低いと考えられる場合は、少しでも将来性が期待できる土地へと乗り換えていくことが重要な視点になります。

つまり、所有地の地価が下落傾向なら早めに売り抜け、より将来性の高い収益物件を手に入れるという姿勢です。具体的には次のような物件が有望です。

駅近物件

駅というのは、そう簡単に動くものではありません。大学や大型ショッピングセンターのような施設でも数十年というスパンで見れば移動・縮小する例は少なくなく、その結果収益性が急激に悪化する事態は起こり得ます。

しかし、都市部の駅は街の中核になっていることから、今後とも大型化することはあっても縮小や移動はまず考えられません。そういう意味では、先行き不透明な時代であっても安定した事業が期待される数少ないロケーションと言えます

駅近物件なら賃貸物件でも入居者ニーズを満たしやすく、テナントビルなどでも、幅広い事業で今後とも収益性が見込めます。

もしも、駅に近い土地や物件が売りに出ていたら、ぜひとも手に入れるべきでしょう

地方中核都市の収益物件

首都圏の不動産価格は高値で推移しているので、相当まとまった資金がないと入手は困難です。

そこで、中京圏や近畿圏など地方の中核都市に目を移すのも一つの方法です。

東京以外の首都圏の中核都市や、札幌、仙台、名古屋、広島、福岡といった地方の中核都市は周辺から若者を吸引しており、有望です。地価も東京都内と比べれば圧倒的に安く、利回り10%を超える収益物件もゴロゴロあります。

所有地の一部を手放すだけで手に入る格安物件も多いので、まずは手ごろな物件で試してみるのもひとつの方法です。
その場合、インターネットだけで判断するのは危険です。

不動産投資をする際は、必ず何度も現地に足を運び、ある程度の土地勘を養いつつ、複数の業者と面談・調査しながら信頼できるパートナー(仲介・管理を委託できる会社)を見つけることが重です。

ミミズク
外国人相手の宿泊施設や、事務所以外で仕事をするノマドワーカー向けのレンタルスペース…新しい時代のニーズを捉えた事業も考えられるね。

クマ
不動産市況も変化してきてるし、情報収集能力と企画力は欠かせなさそうだね。

ミミズク
その通り!ビジネスでは、待っていても成功しない。まずは考えて、行動することが大事だよ。

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