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空き家活用

空き家対策特別措置法と土地活用への影響

ウサギ
空き家を保有しているんだけれど、空家を放置していると、何か問題になることがあるの?

ミミズク
空き家は放置していると、最悪の場合、行政代執行となり、撤去された挙句、多額の撤去費用を負担しなければいけないんだよ!

ウサギ
そうなの?!強制代執行はいきなり行われてしまうの?

ミミズク
特定空家に指定された後、最終的に強制撤去となるんだよ。今回の記事では、空家を保有しているとどんな影響があるのか、詳しく見ていこう!

空き家対策特別措置法とは

誰も住まず、管理者もいない空き家は、地震や台風で倒壊する危険や、ゴミの不法投棄や放火などの恐れ、景観や治安の悪化、地価下落・賃貸相場への悪影響など、様々な弊害を近隣住民に与えてしまいます。
しかし、空き家とは言え、個人の財産である以上、行政の関与には限界があり、何年もそのまま放置されてしまう事例が日本中に発生していました。

これを問題視した国が平成26年(2014年)に成立させたのが「空き家対策特別措置法」で、一定の条件に合致する空き家に対しては、以下のような行政の関与が可能となっています。

空き家対策特別措置法の概要

  1. 空き家の実態調査
  2. 空き家の所有者への適切な管理の指導
  3. 空き家の跡地についての活用促進
  4. 適切に管理されていない空き家を「特定空き家」に指定
  5. 「特定空き家」に対する、助言・指導・勧告・命令
  6. 「特定空き家」に対する、罰金や行政代執行

次のような流れで、適切な管理や活用を推進し、それでも所有者が対応しない場合は「特定空き家」に指定して「住宅用地特例」(固定資産税や都市計画税の課税標準額を6分の1に圧縮し優遇されている特例)の除外、さらには「行政代執行」(行政が空き家を強制的に取り壊し、その費用を所有者に請求するなど)さえも可能になっているのです。

従って、何も状態を改善せずに放置している空き家を所有している地主さんは、固定資産税が突然6倍(更地の固定資産税評価額は70%なので、6倍×0.7で4.2倍)に跳ね上がり、さらには行政代執行によって多額の撤去費用が請求される可能性があので注意が必要なのです。

特定空き家の定義

ウサギ
どういう状態になると空き家になるの?年に1、2回しか訪れないような別荘も空き家となってしまうの?

ミミズク
周辺に悪影響を与えていると空き家と認定されやすくなるんだよ。

地主さんにとって、所有する空き家が「特定空き家」に指定されるかどうかが、大きな分岐点になってきます。

では、どのような場合に特定空き家に指定されるのでしょうか。

年間を通じて使用されていないこと

「概ね1年を通じて使用されていないこと」が指針になっています。
時々空き家に行って風を通し、草むしりや樹木の剪定を行うなどの管理を続けていれば、特定空き家に指定されることを回避できる可能性が高くなります。

周辺への悪影響が大きい事

そのまま放置すれば倒壊などの危険や衛生上の問題、景観や生活環境などへの悪影響が大きい空き家が措置の対象とされています。
例えば、屋根や外壁が壊れたままになっていたり、柱などの構造体が腐ったり傾いたりしているような建物、ゴミの不法投棄や人が無断で出入りしているような空き家は、特定空き家に指定される可能性が大です。

特定空き家の判断は市町村が行うことになっており、所有者はその判断に従う必要があります。
もしも判断に不服があったとしても、助言・指導→勧告→命令という所定の手続きを踏まれれば、罰金や行政代執行を避けることはできないでしょう。

特定空き家への指定回避方法

ウサギ
空き家と認定されてしまうのを防ぐにはどうしたら良いの?

ミミズク
しっかりと管理を行う事ができていれば、空き家認定されてしまう事はないんだよ!

では、特定空き家への指定を回避する方法はないのでしょうか。
あくまでも判断するのは行政なので、確実とは言い切れませんが、次のような対策を取っていれば指定を回避できる可能性が高まります。

公共料金の継続

電気・水道・ガスなどの公共サービスを解約してしまうと「1年間の居住実体がない」という証拠になってしまいやすいので公共料金の契約は継続しておくのがベターです。

定期的な管理を行うこと

時々空き家に足を運び、窓を開けて空気を入れ替えたり、雑草や植木を手入れしたり、傷んだ部分の修理などを行っていれば“周囲への悪影響”をある程度抑えることができるので、特定空き家の指定を回避できる可能性があります。

ただし、空き家が遠い場所にある場合は頻繁に通うことはできないので、専門の管理代行サービスを利用するのも有効です。
月々100円で巡回点検し、報告書を上げてくれるものや、敷地や建物に入って所有者に代わってしっかり管理するサービスなどもあり、建物の状態などに合わせて使い分けると良いでしょう。

空き家の管理代行サービスの一例

特定空き家が発生する背景には、相続トラブルが関係している場合が多々見られます。
兄弟・親戚間で感情をこじらせてしまい、お互いが“話をするのさえ嫌”となり、空き家の撤去も売却も、管理さえも手を付けることができないという事態に陥るのです。
このような場合、当事者間での解決は難しいので、むしろ空き家対策特別措置法を利用して解決に導くのが、現実的な方法と言えるかもしれません。
空き家が周辺住民の迷惑になっているのは事実なので、早めに行政に介入してもらい、解決すべきです。

また、そこまで家族観の関係が悪化していないケースなら、とりあえず管理代行サービスを利用して空き家を管理し、冷却期間をおいて話し合うというのも有効な方法でしょう。

特定空き家に指定されたら

ウサギ
空き家認定を受けてしまったらどうしたら良いのかな?

ミミズク
少しでも早い土地活用を考えるようにしよう!

もしも特定空き家に指定されたら、そのまま放置しておくことはもう許されなくなります。
罰金や行政代執行が強行されるのは時間の問題なので、速やかに空き家を撤去するか、売却・賃貸を検討すべきです。

ただし、売却や賃貸を検討しているからと言って、特定空き家の指定が解除されるわけではありません。
何もせずに放置しておくよりは柔軟に取り扱ってくれる可能性はありますが、「買い手や借り手を探している」と言いつついつまでもそのままなら、やはり罰金や行政代執行に踏み切られる可能性はあります。
買い手や借り手が簡単に見つかりそうもない場合は、できるだけ速やかに建物を解体し、更地に戻すべきです。

また、多くの自治体で解体費用の助成制度を設けているので、一度相談してみると良いでしょう。

空き家の土地活用策

ウサギ
空き家でも有効活用できる方法はあるのかな?

ミミズク
収益を上げる可能性がない場合には、売却する事も検討してみよう!

特定空き家に指定されるまでもなく、空き家が生じたらそのまま放置するのではなく、何らかの活用策を模索するのが地主さんの心得です。

確かに空き家なら、放置しておいても固定資産税を6分の1に抑えてもらえるという税負担軽減のメリットはありますが、それでも税金がゼロになるわけではありません。
周囲に迷惑を掛けないためには建物や庭の管理も必要で、金銭的にも時間的にもマイナスの資産でしかありません。
もちろん、遊ばせておいては何ら収益を生まないので、積極的に活用して収益不動産に変える努力が求められます。

では、空き家が生じた場合の土地活用策にはどんなものがあるのでしょうか。

戸建賃貸

空き家の多くが住宅だったはずで、その周囲には生活に必要な施設(お店や学校、郵便局、公共交通など)が揃っている場合が多いと思われます。
そのような場所なら、戸建賃貸としての活用が有望です。
戸建賃貸はニーズが高い上、アパマン経営に比べて投資額が抑えられるので、小さなリスクで手堅い収益が見込まれます。
ただし、周囲に若い子育てファミリーが多い事が大前提なので、若い世代が多い都市部の市街地にある土地でなければ長期安定経営は難しいかも知れません。

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アパート経営

50坪程度の土地でもアパート建築が可能な場合があるので、住宅数を増やすことができる、アパートへの活用もひとつの選択肢です。
ただし、アパートやマンションは戸建賃貸よりも投資が大きくなる分、投資回収に時間がかかり、20年後・30年後も借り手である若者人口が見込まるかどうかがポイントになってきます。
今後は仕事や教育を求めて都市部へ都市部へと若者が集中することが予想されるだけに、中小の市町村にある空き家では、厳しい方法になってくるかもしれません。

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太陽光発電事業

50坪程度の土地で、賃貸住宅への活用が難しい場合、残された土地活用策は太陽光発電事業ぐらいしかありません。

周囲に住宅が少なく、しかも送電線網や生活道路が整備されている土地なら、太陽光発電の好適地と言えます。
ただし、太陽光を遮る建物や山、樹木などがないことが大前提。
隣接地に高い建物が建つ可能性がないかどうかも情報収集し、考慮する必要があります。

空き家があるからと言って、そのまま屋根に太陽光パネルを乗せるのは禁物
誰も住まない建物は老朽化が激しいので、数年で使えなくなる可能性もあります。
一旦更地にして架台を設置して始めるべきでしょう。

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売却

日本の世帯数は2019年にピークを迎え、後は減少に転じると言われています。
世帯数が減るということは必要な住宅も減るということです。
ただでさえ空き家が社会問題になっているのに、住宅が要らなくなって行けば、ますます空き家が生まれることになります。

需要を供給が上回れば、土地も中古住宅も賃貸料も安くなるのは避けられません。
人気のない土地は価値が暴落する事態も充分考えられるのです。

そうなってから慌てて売却を検討しても後の祭り。
二束三文で買いたたかれるか、無価値になってしまう土地が日本中に生まれる可能性があるのです。
従って、20年後、30年後に人口増加が期待できない場所に土地を所有している場合は、早めに売却を検討することも重要な視点になってきます。

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