土地活用プランナーが教える土地活用

土地活用の杜

土地活用の種類

コンパクトシティ化の土地活用への影響

ウサギ
様々な地域でコンパクトシティ化が進んでいるって聞いたんだ。コンパクトシティって何?土地活用を進めるのに関係してくるの?

シカ
コンパクトシティ化とは、郊外に住んでいる人が都心部などに移住して、人口が集約している中心市街地のことを呼ぶんだよ。コンパクトシティ化が進むと、場合によっては、土地活用が失敗となってしまう事があるんだ。コンパクトシティと土地活用の関係について、詳しく見ていこう!

コンパクトシティとは


「コンパクトシティ」とは都市政策のひとつで、都市をコンパクトにまとめることで効率的な都市経営と住民の利便性向上を目指すもの
都市計画として郊外への拡大を抑え込み、住居や生活施設、公共施設などを都市圏にコンパクトに集約しつつ、公共交通機関で互いを結びつけることで、仕事や暮らし、教育、文化活動などの利便性と質的向上を実現しようという、いわば地方公共団体などの行政主導による”人為的な都市づくり“と位置付けられています。

すでに多くの地方都市で「コンパクトシティ構想」を立ち上げ、様々な取り組みがなされていますが、一定の評価がされている都市構造も若干はあるものの、困難に直面している都市も多く、まだまだ課題の多い政策と言えるでしょう。
ただし、行政主導のコンパクトシティ構想がなかなか成功しないからと言って“コンパクトシティ化”が進まないと考えるのは早計です。
つまり、人口減少社会への移行によって、好むと好まざるとにかかわらず、日本中でコンパクトシティ化が進むことは避けられないと見られるからです。

実際、東京や地方中核都市への若者の人口密度化が高まり始めており、反対に日本中の殆どの自治体では多かれ少なかれ、限界集落への道を突き進んでいます。

限界集落」の関連記事はこちら

現在は山村や農村で目立つ限界集落問題ですが、都市再生特別措置法の改正により、今後は都市郊外や中小の市町村でも若者が都市部に流出し、限界集落化して行くことが予想されます。
現実に、都市部においても昭和40年代、50年代に造成されたニュータウンでは高齢化の割合が高まっており、築40年を過ぎた分譲マンション等でも高齢夫婦・独居老人の世帯が増え、様々な問題が起き始めています。
つまりこれからは、仕事や教育、医療、娯楽等の社会資本は都市部への集中に伴い、自然にコンパクトシティ化(大都市への人・モノ・カネの集約化)の需要が進んでいくと見られ、これに伴い地主さんの土地活用にも大きな影響が生じることは避けられなくなるはずなのです。

コンパクトシティ化による土地活用への影響

ウサギ
コンパクトシティ化が進むと、地主さんにはどんな影響が出てくるの?

シカ
コンパクトシティ化の内側の土地を保有している場合には、それほど不安に感じる事はないよ。

コンパクトシティ化によって、土地活用には様々な影響が予想されます。
結論を言えば、コンパクトシティの内側にある土地にはメリットが多くコンパクトシティの外側にある土地にはデメリットが多いということ。
具体的に見ていきましょう。

コンパクトシティ内の土地への影響

コンパクトシティ化が進むと、以下のような様々な影響が生まれてきます。

利便性の向上

住居やオフィス街、商業施設、教育機関などがコンパクトに集積し、しかも地域公共交通網(地下鉄やモノレール、路面電車など)が整備されて行くため、通勤通学や買い物などの利便性が向上します。
いわば、小さな東京が日本中に整備されていくようなもので、都市部に暮らす限りマイカーが無くても不便を感じることはなくなり、経済的にも時間的にも大きなメリットが期待されます。

行政サービスの向上

企業や住民が集中すれば、法人税や住民税などの税収が大幅にアップするため、豊かな財源を活かしてインフラ整備や防犯・防災対策、医療・福祉・教育の充実など、行政サービスのさらなる充実が期待されます。
しかも、コンパクトな都市部に集中的に投資できるため、安全で快適な未来都市が急ピッチで整備される可能性があります。

経済・文化活動の活性化

子供からお年寄りまで、幅広い年代の住民が都市にひしめき合うことで、あらゆる商売が成り立ちやすくなります
また、莫大な人口があればコアなターゲットに絞り込んだ商売も成り立つようになり、東京にしかなかったような多様なお店やサービスの利用者も根付くはずです。

さらには、演劇や音楽、スポーツといった文化活動も活発化し、都市の魅力をさらに加速すると見られます。

容積率や建ぺい率の拡大

都市部を拡大させることなく、数十万人から数百万人の人を集約するためには、建物の高層化を進めていく必要があります。
このため、立地適正化計画が進められ、コンパクトシティ内にある土地は、やがて建ぺい率や容積率が見直され、開発が進む可能性が生じてきます。

例えば、3階までの住宅しか建てられなかった土地に6階建てのビルが建てられるようになれば、地価はそれだけで高くなり、自己運用するにしても賃貸経営にしても、収益性が大幅にアップする可能性があるわけです。
これは地主さんだけが手にすることができる、大きくてオイシイ果実です。

治安の悪化や貧富の拡大

反面、都市化が進むことで治安の悪化や貧富の格差拡大も避けられなくなるでしょう。
ただ、都市部に限ってみれば、住居費が高額になることから富裕層と中流層の居住地域となり、貧困層は外縁部や郊外に追いやられスラム街を形成することが予測されます。
そういう意味でも、地主さんとしては、できるだけ都心に近い部分に土地を所有するのが鉄則となります。

 

このように、コンパクトシティ内については“小さな東京”のような魅力的な都市になるので、コンパクトシティ内の土地は大きく値を上げていく可能性が高いと見られます。

従って、たとえ狭小地や傾斜地のような条件の悪い土地であっても、所有していた方がやがては値上がりや借り手の殺到が期待されます。

ただし、「コンパクトシティ間競争」には注意が必要です。
おそらくコンパクトシティとして集約していく過程では、人口百万人程度の中規模都市(県庁所在地など)と、数百万人規模の大都市(政令指定都市など)に分かれていくはず。
そしてその後は、中規模の都市でも大都市への人口流出が始まると見られ、土地を所有するなら政令指定都市などの大都市候補地を狙うのが鉄則になってくると思われます。

コンパクトシティ外の土地への影響

ウサギ
コンパクトシティの外側の土地を保有している場合には、今後どうしたら良いのかな?

シカ
少しでも早く売却を考えた方が良いかもしれないね。

一方、コンパクトシティの外側では、都市部への移住が困難な高齢者だけが住む限界集落となり、やがてコミュニティの都市機能が失われていくことは避けられないはず。
その場合、あらゆる土地活用策が成り立たなくなるため、土地の価格は低下を続け、最悪は無価値になってしまう恐れがあります。

現段階では太陽光発電事業への活用の可能性は残っていますが、もしも日本全国で一挙に太陽光発電事業が開始されれば電力供給が不安定になる他、再エネ発電賦課金の高騰に伴う国民の反発なども予想され、制度の見直しも充分に考えられます。
その場合、太陽光発電事業という、条件の悪い土地での“最終活用策”も困難になってしまいます。

太陽光発電事業のデメリット」の関連記事はこちら

従って、コンパクトシティとして生き残ることが考えにくい場所(政令指定都市や県庁所在地以外など)に土地を持っている地主さんはいち早く売却し、狭くても良いのでコンパクトシティとして生き残る可能性のある都市内の土地に置き換えるべきでしょう。

コンパクトシティ候補地とは

ウサギ
コンパクトシティ化が進みそうなエリアってあるの?どの場所の土地を保有していれば安心かな?

シカ
政令指定都市や県庁所在地、現在大都市となっている場所がお勧めといえるよ。

では、今後コンパクトシティとして生き残り、発展していくことが期待される都市とは具体的にどこなのでしょうか?
いくつか目安を紹介してみましょう。

県庁所在地

各県の県庁所在地は、県内の行政と経済の中心部となっているケースが多いので、県内の中小市町村からの若者が流入してコンパクトシティ化が進む可能性があります。
また、県庁所在地とは別に経済や教育、文化の中心都市を持っている県もありますが、この場合は教育と仕事の集積度の点で、経済の中心都市に集約されていく可能性が高いでしょう。

ただし、長い目で見れば県をまたいだコンパクトシティ間競争に敗れ、土地活用が困難になってしまう可能性もあることは、充分に念頭に入れておきましょう。

政令指定都市

大阪市、名古屋市、京都市、横浜市、神戸市、北九州市、札幌市、川崎市、福岡市、広島市、仙台市、千葉市、さいたま市、静岡市、堺市、新潟市、浜松市、岡山市、相模原市、熊本市の20都市。
さらに宇都宮市、岐阜市、姫路市なども政令指定都市を目指して準備中です。
これらの都市は、県を超えて人口集中が進む可能性が高い都市と言えるでしょう。
ただし、こちらも比較的近い場所により強力な大都市がある場合は人口減少に向かう可能性もあることは計算に入れておきましょう

13大都市

政令指定都市の基準がより厳しかった時代に政令指定都市になった大都市で、札幌市・仙台市・さいたま市・千葉市・川崎市・横浜市・名古屋市・京都市・大阪市・神戸市・広島市・北九州市・福岡市の13都市。
北海道なら札幌、東北なら仙台というように、各経済ブロックの中枢都市として数百万人の都市として君臨する可能性のある都市です。
これらの都市なら、長い目で見てもコンパクトシティ間競争に打ち勝つ可能性が高いため、資金的に余裕があるのなら、これらの都市に土地を所有するのがセオリーになってくるでしょう。

-土地活用の種類

error:
【無料】土地活用に失敗しない方法
土地活用に失敗しない方法

Copyright© 土地活用の杜 , 2020 AllRights Reserved Powered by AFFINGER4.